国立西洋美術館 常設展
久しぶりに西洋美術館の常設展へ行ってきました。
何度か来ているのに写真撮影可能だとは知りませんでした。入口で係の人から聞いて、なんだそうだったのかとばかり、たくさん撮影してきました。
いつも同じ作品の前で立ち止まるのですが今回は他の数点にも目がとまりました。
先ずドラクロアの「墓に運ばれるキリスト」です。たまたま平野啓一郎の「葬送」を読んだばかりだったのでドラクロアに反応したのかもしれません。小さくて暗めの作品なのでなかなか目に入らなかったのですが、よく見てみると珍しい題材で、しかも高い所から低い所へ目線が移動するように描かれており、そこにはいろいろな人物が配置され、想像力をかきたてられるのです。小品ながらも内容にはスケールの大きさを感じました。
もう一つはクールベの「波」です。クールベの作品は写実的と言われてるとおりで、あまり関心がなくていつもただ通り過ぎていました。でも、今回は作品の前で思わず足が止まってしまいました。こんなに綺麗な絵だっただろうか。曇天の下に波頭が描いてあるだけなのですが、薄明かりのオレンジ色といい様々な色の雲がとても美しく、大きな波の迫力と絵の安定感でずっと見ていたいと思いました。
又、モネの「セーヌ河の朝」は風に動く枝や葉が直に伝わってきて、まるでそこに立っているようで臨場感にあふれるものでした。