松方コレクション展
松方コレクション展へ行ってきました。
造船で財を成した松方幸次郎が日本の画家や国民に本物の油絵を見せたいと情熱をこめて集めたものです。10年間で3000点にのぼると言われています。しかし、この作品達は後に数奇な運命を辿ることになります。
金融恐慌、関東大震災、第二次世界大戦と激動の時代に流転を繰り返し、多くの作品が散逸、焼失してしまったのです。
幸いにも幸次郎がフランスの田舎に疎開させた作品は残りましたが、それもフランス政府に接収されてしまいました。戦後になってやっと返還されましたが、すべての作品が返されたわけではありませんでした。
今回の展示は、その中から油絵だけではなく素描、版画、彫刻、手紙などの資料と多岐にわたっています。幸次郎のコレクションに対する執念がいかに強かったかが伝わってきますね。
中でもモネの「睡蓮」はモネが手元に置いておいて離したがらない作品でしたが、幸次郎の情熱に負けてしまいました。
この「睡蓮」は国立西洋美術館で常設展示され、いつでも見ることができますが何度見てもいいですね。モネが精魂込めて描いた感じがいっぱいで完璧な美しさが感じられます。
又、楽しみにしていた作品も今回見ることができました。それは国内外に散逸していた作品が帰ってきているのです。パリやロンドン、バーゼルに行かなくてすむのですから、うれしい限りですよね。